第1段階 項目14「オートマチック車などの運転」

教習所のお姉さん

MT・ATどちらの免許をご希望ですか?

教習所に入校する時、一番最初に聞かれますよね。MT・ATの違い…わかりますか?
僕は高校生の時に免許を取得したんですが、その時はMTだのATだのなんのこっちゃ分からなくて「友達もMTだし…MTで!」とバイブスで決めた覚えがあります。(指導員になったので結果オーライ!)

ですがこれはきっと僕だけじゃなくて、今から免許取得を考える若者、もしかしたらすでに免許を取得しているドライバーでも「MTとATの違い」を聞かれたら半分バイブスの人もいるかもしれません。

ということで今回は、学科教習の第1段階項目14「オートマチック車などの運転」をもとに、AT車・MT車の運転操作の違いについて解説します。実際の運転に役立つ知識はもちろん、学科試験によく出題されるポイントも含めて解説しますので、仮免・本免試験が控えている人もそのままお読み下さい。

動画でも解説してます↓

目次

MTとATの免許

MT普通車で免許を取得すると…「普通免許」(MT・AT両方運転できる)

AT普通車で免許を取得すると…「普通免許(AT限定)」(ATのみ運転できる)

MTとATどちらの免許、と最初に言いましたが厳密にいうと各車両による免許の違いは上記のようになります。

「じゃあ限定条件のないMTで免許を取った方がいいね!」と考えがちですが一概にそうとも言えません。というのも今の時代MT車は道路交通の場では少数派。貨物車やスポーツカーなどを除くと一般的な自家用車はほとんどがAT車になっています。

だったら私はMT車に乗る予定もないし、教習時間が短くて料金も安いAT限定免許でいいわ

MT車に興味あるし、仕事でトラックを運転することもありそうだから僕はMTだな

自家用車はATに乗る予定だけど、MTも経験してみたいからMTにしてみよ!

MTは運転難しそうだしAT限定の方がいいかな…

人によって今後の予定や価値観は違うのでこの免許の方が良い!ということはないです。入校の際には自分に合った免許を選ぶようにしましょう。
また、もしAT限定の免許を取得した後でも、再度教習所に入校してAT限定条件の解除を行うこともできますので、後々MTに乗りたくなっても大丈夫なのでご安心を。

では次に、車の構造からMT車・AT車の運転操作の違いについて説明します。

車が走る原理

ではMT・ATの解説をするためにも、まずは車の構造・車が走る原理について少しだけ話をします。簡単に説明するので画面を閉じないで…。

車を走行させるにはまずエンジンをかけますよね。そうすることでエンジンが音をたてて回転します。その時にエンジンで車を動かすための動力が作られるんですが、その動力はトランスミッションという装置を経由します。そこで動力を前進に使うか、後退に使うか、はたまたギアチェンジをするのか決定し、タイヤに伝達され車は走行しています。
動力の流れと役割をいうと、

こんな感じです。
トランスミッションは車を前進させるのか、後退させるのか、ギアチェンジさせるのか、目的に合わせて動力を管理・変換する役割をしています。MT車とAT車ではこのトランスミッションの構造が大きく変わります。

チェンジレバー MT車

トランスミッションを操作するためのレバーをチェンジレバーといいます。このチェンジレバーはMT車のチェンジレバーです。

操作の仕方としては、後退する時はレバーをRに、発進する時はレバーを数字の1、1速に入れます。発進したら速度が上がるにつれ2速、3速と次のギアへチェンジしていきます。ギア付きの自転車と同じ原理です。MT車はチェンジレバーを操作して前進したり、後退したり、手動でギアチェンジをする構造になっています。

チェンジレバー AT車

次はAT車のチェンジレバーです。車種によって多少仕様が異なることがありますが、大体一般的にこのようなチェンジレバーが設置されます。このレバーを上下に操作し、車を運転します。ココがよく試験に出るので詳しく操作方法を説明していきます。

【P】パーキングレンジ

イラストのチェンジレバーはアルファベットの「P」の位置にレバーがあります。このPはパーキングレンジといい、このパーキングにすると車の内部でロックがかかり、車が動かせない状態になります。駐車場で車を停める時にはブレーキペダルを踏んだままハンドブレーキを確実にかけ、車が完全に停止している状態でレバーをパーキングに入れるようにします。

【R】リバースレンジ

このイラストは「R」の位置にレバーがあります。Rはリバースレンジといい、車を後退させたい時に使います。前に進めなくて後ろに戻りたい時、駐車場にバックで停めたい時などに使います。

【N】ニュートラルレンジ

このイラストは「N」の位置にレバーがあります。Nはニュートラルレンジといって、ここにレバーを入れると、車のエンジンの動力がタイヤに伝わらない状態になります。要するにニュートラルにするとアクセルを踏んでも進まず、坂道だとそのままコロコロと転がってしまう状態になります。このニュートラルは普段は全く使いませんが、停止時間が長くなりそうな交差点で停止する時(操作ミスによる急発進を誘発する可能性があるので、あまりおすすめはできませんが)や、故障のため自走できず他の車にけん引してもらう時などで使います。

【D】ドライブレンジ

このイラストは「D」の位置にレバーがあります。Dはドライブレンジといって、前進したい時に使います。MT車の場合は手動でギアチェンジをしていましたが、AT車の場合はこのドライブにレバーを入れれば速度に合わせて自動でギアチェンジがされるようになっています。
MT車は手動でギアチェンジ、AT車は自動でギアチェンジ。これがMTとATの大きな違いになります。

【2】セカンドレンジ、【L】ローレンジ

左のイラストは「2」、右のイラストは「L」の位置にレバーがあります。2はセカンドレンジ、Lはローレンジといい、この二つはドライブと同じく前進する時に使用します。ただセカンドは2速までのギア。ローは1速固定のギアとなっていて、二つともエンジンブレーキがよく効くので、長めの下り坂や急な下り坂などスピードを抑えたい時に使用します。

クリープ現象

AT車はドライブレンジや、セカンドレンジ、ローレンジといった前進するギアに入れた時は、ブレーキペダルをしっかり踏んでおかないと、アクセルペダルを踏まなくても車がゆっくり動き出す、「クリープ現象」という現象が起きます。これが原因で信号待ちをしている時に前の車へうっかり追突してしまうといった事故が起きることがあります。停止時はクリープ現象に注意し、しっかりとブレーキペダルを踏むようにしましょう。

オートマチックの二輪車

二輪車にも四輪車と同じくMTとATがあります。ATは基本スクータータイプの車種になっていて無段変速装置という仕組みが採用されています。無段変速装置。名前だけ聞くと必殺技みたいでなんだかかっこいいですね…。漢字がたくさん並んで「うっ」となっている人もいるかもしれませんが大丈夫。ちゃんと簡単に説明します。

一般的な車は、1速、2速、3速と階段を上がるように段階的にギアチェンジしていくんですが、無段変速装置の場合は、1速、2速といった固定のギアがなく、グラデーション的に速度に合わせて変速することができます。その分他の車と比べ、ギアチェンジの動作が目立たずスムーズな走行ができます。

ですが無段変速装置の場合、低速で走行している時にスロットルを完全に戻すとタイヤに動力が伝わらなくなり、安定を失うことがあります。スロットルとは、この文脈ではアクセルのことだと思ってくれたら大丈夫です。簡単に言うとATの二輪車はゆっくり走っている時にアクセルをゼロにすると車体がフラフラしやすいよという事です。

まとめ

①.車にはトランスミッションという装置があり、チェンジレバーによってそれを操作して車を動かしている

②.AT車のチェンジレバーのPはパーキングで駐車時に、Rはリバースで後退時に、Nはニュートラルで故障時のけん引などに、Dはドライブで通常の走行時に、2とLセカンドとローは、坂道の走行時などに使う

③.ブレーキをしっかり踏んでおかないと、アクセルを踏まなくても自動車がゆっくり動き出すクリープ現象に注意する

④.AT二輪車は、低速で走行している際にスロットルを完全に戻すとタイヤにエンジンの力が伝わらなくなり、安定を失うことがある

トランスミッションの参考動画↓

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