【男性育休】実際どう?給付金はいくら貰える?取得した感想【メリット・デメリット】

今年第一子となる息子が誕生し現在育休5か月目。世間でも最近言われている男性版の育休というやつだ。朝から晩まで息子にべったりで有意義な日々を過ごしている。こんな事を書いていると「男で育休なんてホワイトで良いねぇ」なんて言われそうだがそんなことはない。私の勤め先もあなたの会社と同様ところどころ労基を無視しようとするややブラックめの会社だ。それでも育休は取得できるし妻を泣かさずに子育てもできる。

また男性の育休に関しては2022年10月から制度改正が進み追い風の傾向。今はまだ珍しいがこれからはわりと普通な時代になっていくと予想する。今回はそんな男性版育休を体験して感じた感想をレビューしていく。未来のパパ社員の参考になったら嬉しい。

マルコです。YouTubeで免許試験の対策動画を。Twitterで日々思った事をつぶやいています。

目次

育児・介護休業法について

まずここ最近の育児・介護休業法の怒涛の改正についておさらいをしたい。

・有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和 【2022年4月1日施行】
・育休を取得しやすい雇用環境整備と個別の周知・意向確認の義務【2022年4月1日施行】
・男性の育休促進のための出生時育児休業の創設(産後パパ育休)【2022年10月1日施行】
・育児休業の分割取得【2022年10月1日施行】
・育児休業の取得の状況の公表の義務付け【2023年4月1日施行】 

子供が生まれる全ての労働者(非正規や、男性社員含む)に会社側は育休制度の周知と意向を確認。また新設された産後パパ育休によって柔軟な休み方ができ、かつ都合に合わせ育休期間を夫婦間で分割して取得することもできる。そして従業員1000人以上の大企業に関しては、従業員の育休の取得率の公表を義務付け。

ざっとまとめるとこんな感じだ。詳しい内容は厚生労働省のサイトから確認してほしいが、上記を見てもわかるように男性の育休がかなり推進されている印象。

いやそんなこと言ったって俺の会社で育休なんてとれるわけねー。と思っている人もいるかもしれないがそんなことはない。というのも育休は雇用保険に加入している労働者の権利で基本的に会社は拒否・制限はできないんだ。

もし会社側が申請を拒否した場合は労働局からの厳しい行政指導が入り、社名の公表や20万以下の過料という罰に処される可能性がある。会社側もそのペナルティを恐れているので申請すればすんなり取得できる。もしあなたが配偶者の出産が控えていて育休を検討してる人なら勇気を出して会社側に申請してみてほしい。案外大丈夫だから。

育休中のお金について

育休期間中もちろん給料はない。ただその代わり雇用保険から育児給付という形で給付金が貰える。私の場合は2か月毎ぐらいの頻度で「シヨクギヨウアンテイキヨク」名義から指定口座へ振り込みがあった。もらえる金額は貰っている給料によって変動があり上記の計算式で算出できる。

育休に入って半年までは給料の67%分。半年以降は減額され給料の50%分を受給できる。少なっと思った人もいるかもしれないが、この金額は給料ではないため所得税が発生しない。しかも育休期間は社会保険料が免除(社会保険は加入したまま)となるので半年の間は給料の実質80%程の給付金がもらえる。また育休期間は所得がないため来年支払う住民税もその期間はゼロ。ということは翌年子供を保育園に入れるのなら、住民税から保育料を算出する認可保育園の場合保育料を抑えることもできる。

前述したように給付金は雇用保険からの給付であり会社からの給料ではない。そして社会保険料の支払いも免除となるため、会社側は育休期間中私に一銭も払っていない。ということは会社にとって育休の損失は労働力が1減るのみ。それがどれほどの損失になるかはその社員によるところではあるが、ぶっちゃけ社員が1人減ったぐらい普通の会社なら何も変わらない。ちょっと悲しい気もするけど現実の話。私としてはこの仕組みのおかげで給料泥棒にならなくて済むなぁと育休に対して気が楽になった。

男性育休申請の手順

  1. 会社へ配偶者の妊娠報告、社長へ直に育休の申し出(4か月前くらい)
  2. 会社側が用意してくれた必要書類に記入、提出する(1か月前まで)
  3. 出生届などの書類を会社に提出(産後の適当な日に)

実際に私が育休を申請した手順も一応説明しておく。うろ覚えなところもあるがこんな感じだったはず。とにかく育休申請の手順は超絶簡単なので興味がある人は会社の経理の方に詳細を聞いてほしい。

そして育休の期間は男女ともに原則1年まで。保育園に入園できなかったなどの理由があれば最大2年まで延長できる。ちなみに私は繁忙期前に復帰できるように6か月で申請した。
次に育休を取得して個人的に感じたメリットをいくつか書いていく。

【メリット①】家事・育児の負担を分担できる

コロナの影響でママさん教室なども中止となり、何も分からないまま初めての育児に突入したため、私達夫婦は息子の一挙手一投足にヒヤヒヤし神経をすり減らす毎日だった。そんななか夫婦二人で助け合いながら育児ができたことは今回育休を取得した一番のメリットだったと思う。

5か月経った今はそれなりに余裕が出てきてお互い一人で子供を見れるようにもなったが、もし新生児期からワンオペとなっていたらかなり辛かったと思う。特に産後のホルモン分泌が乱れ疲弊した体の妻はなおさら。出産した女性の10人に1人は産後うつになると聞いたことがある。もし私が育休を取得せず、妻にワンオペで育児を丸投げしていたら今後の夫婦関係に深い溝ができていたかもしれない。

【メリット②】父親である実感を持てた

一挙手一投足、毎日息子を注視している分どんどん変わっていく顔や、初めての寝返り、哺乳瓶を自分で持った瞬間など昨日までできなかったことができるようになっていく息子の成長を何度も目撃できた。それを見たり肌で感じる度に息子に対して可愛さだけではない愛着と、朧気だった自分の父親の実感を深めることができた気がする。

というのも妊娠~出産という衝撃的体験を通して親となる母親と比べて、ぶっちゃけ父親の実感は希薄。エコー写真や妻の大きなお腹を見て自ら想像して得ることしかできない。コロナの影響で出産の立ち合いもできなかった私は、生後1週間の息子と初対面した時なんだかフワフワした不思議な気分になったことを覚えている。自分が特別薄情なのかと心配になったが、同じような父親もわりといるらしくネットで検索するとそのことについていくつか研究論文が出てきた時は笑った。

要するに父親の実感とは子供が産まれた後、経験から獲得していくものではないかと考える。またこの父親の実感が父性を作り子供への愛情へ繋がると仮定すると、親の実感を得る経験が盛りだくさんな育休期間は今後の親子関係にも大きな影響を与えるものだと思う。

【メリット③】夫婦間の育児レベルを同等にできる

「旦那 育児」とTwitterで検索すると、世の奥様方の旦那の育児参加に対する不満が爆発した地獄のツイートが散見される。そのツイートをよく読んでみると育児自体に不参加で飲み歩いている旦那もいる一方、ノウハウが分からず指示しないと動かない旦那や、育児参加しているつもりが奥さんとの基準に差がありイライラさせてしまう旦那がいたりと、色々なデキナイ旦那が登場する。ただこうなったのは夫婦間の育児レベルに差があることが大きな原因ではないかと思う。

3時間おきに母乳をあげ戦のような緊張感のなか子供と向き合った奥さんと、仕事を終えて数時間子供と過ごすだけになる旦那との育児レベルの差はひと月も経てば雲泥の差になる。そして役に立たない俺に出る幕はないといつしか旦那は育児から離脱気味になり、気付けば奥さんのワンオペが当たり前に…というのがこの地獄の原因ではないかと考える。

この問題の解決策はSNSに愚痴るのではなく、旦那に育休を取らせて半強制で育児参加させることだと思う。仕事との二刀流で育児を覚えるのは難しいが、育休で夫婦一緒に育児をスタートしていけば旦那も母乳以外は全部できるようになる。そうなると育児の苦労が分かるので尊重し合えるし、上手くできない時一人で抱え込まずに済む。育休期間終了後も夫の育児レベルが高い分、仕事後でも率先して育児や家事の手伝いをしてくれるはず。
きっと心の中では一緒に育児をしたいと思っている旦那も多いと思う。

【メリット④】忙殺されず余裕を持てる

何か月も休職するなんて経験は中々できないので心身ともに余裕ができた。そのおかげで息子に集中して向き合えたし、妻とこれからの子育てについて話し合ったりもできた。あとこのブログやYouTubeなんかも息子が寝た時を狙って作業できたし、片方が子守りをして夫婦それぞれの自分時間も作れた。色々と変化していく毎日に忙殺されず、考えを整理する余白があったおかげで初めてにしては良い感じに育児ができたと思う。

忙しいこと自体は悪いことではないと思うけど、初めての子育てのような慣れないことをする時は専念できることに越したことはない。心にゆとりを持って楽しく子育てするということは子供の成長にも良い影響があると思う。

次は、良いことだけではなく考えられるデメリットも話していく。

【デメリット①】今後のキャリアに悪影響の可能性

一応、育児・介護休業法では、育休申請者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(第10条)という会社側へハラスメントの防止措置義務がある。この不利益な取り扱いとは、パート落ちなどの契約内容変更の強要なども含まれるので、育休を理由とした降格などの減点評価をすることは禁止されている。

だが、もしかしたら会社によっては今後の昇進に関わる「加点」の評価には影響があるかもしれない。というのも人の感情までも法律で定めることはできないから。もし上司や経営者が育休に対して理解がない人間であれば、育休を取った社員よりも取らずに子育てをした社員を”頑張っている”と可愛がることは可能性としてあり得る。

すでに社内で育休を取った男性社員がいれば参考にできるが、自分が男性育休第一号の場合なら実際に育休を取ってみないと会社からのリアルな評価はどうなるか分からない。

ただ冒頭で話した通り、世の中の流れとしては法改正などもあり今後は男性育休の普及が加速していくのも事実。それは男性の育休取得率の最近の統計を見ても分かる。

令和元年に7.48%だった取得率が令和3年には13.97%と2倍近く上昇している。政府としては令和7年までに30%を目標にしているのだが、それは達成できないにしても20%ぐらいまではいけるかもしれない。20%となると5人に1人の男性が育休を取得したことになる。そこまで普及すれば男性育休に対する世間のイメージが変わり、会社でのイメージも変わる。そうなると育休の取得の有無による評価付けがなくなる、と推測する。
もしそれでも不当な扱いをする会社ならば、そこまでの会社だったんだなとこっちから転職したらいい。

【デメリット②】他の社員に迷惑がかかる

また、男性育休を取得しない理由のひとつに「他の社員に迷惑がかかるから」というのもある。一見責任感のある立派な考えのように見えるが、この考えには「育児を手伝わないと妻に迷惑がかかる」というもう片方の天秤の皿が見えていない。そして実際、複数いる社員で分担できる仕事と、妻と自分しかいない育児だと自分が抜けることで迷惑がかかるのは圧倒的に育児となる。仕事と違って育児には自分の代わりとなる人物がいない。

というわけで人間なんて誰にも迷惑をかけずに生きていくなんて無理。ここは他の社員へ感謝しつつ育休を取得し、それが終わったらバリバリ働いてみんなに恩返しする。それでいいと思う。

それに男性社員の育休取得は、後輩の若手社員からすると迷惑どころか道を切り拓いたありがたい存在となる。男性育休の黎明期である今から育休取得の前例を作ることは、若手社員の将来の育児不安を軽減し、会社への信頼度を高めることに繋がる。それは会社側から見ても社員の人材流出を防ぐことになるのでメリット。

人材の確保はどこの会社でも大きな課題のひとつなので、長い目で見ると育休を取得することは社員のため、会社のためにもなるといえる。胸を張ってファーストペンギンになってほしい。

男性で育休取得した感想 まとめ

「三つ子の魂百まで」という諺もあるように、人間の脳の発達は3歳頃には80%が完成し、人格の土台が形成されるらしい。この大事な時期に時間と余裕を持つためにも育児休業はなるべく長期で取得すべし。と個人的には思うがこれは私の価値観。別に違う意見があってもいい。

ただこれから出産の予定があり育休を取りたいと考える人がいるのなら、会社に忖度して諦めたりせず自身でも厚生労働省のサイトから育児・介護休業法の内容を確認し、夫婦で話し合って前向きな検討をしてほしいと思う。

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