教習所では教えてくれないこと7選【これって交通違反?】

教習所 自動車学校 教えてくれない

教習所で学ぶ基本的な交通ルールや運転技能はもちろん大事だけど、実際の路上に出るとそれらが通用しなかったり、「は?」と思うような交通事象が多々ある。この記事ではそういった「教習所では教えてくれないこと」を7つ、元指導員の私が解説していくので、いつかその場面に遭遇した時に役立てたり、友達に道交法マウントを取る時の切り札に使ってほしい。

YouTubeでも解説しています。

目次

教習所の無料送迎バスは、第一種免許で運転できる

「え?バスは第二種免許が必要じゃないの?」と思った方もいると思うが、教習所の送迎バスは第一種免許でOK。というのも第二種免許が必要なのは「旅客運送」を目的とした運転の場合。旅客運送とは「利用者から運賃を受け取って運転する」ことを指すんだ。なので路線バスや、タクシーとは違い、教習所の”無料”送迎バスは第二種免許は不要。写真のようなマイクロバスなら第一種中型免許で運転できる。

ただここだけの話、送迎バスを出してない教習所はその分教習の料金が安くしているところもある(私の県の場合送迎バスなしの教習所は相場の約8万円安い)ので、送迎バス分は教習料金から回収している場合もあるかと思う。まあ教習所も商売なのでそういうもの。

教習所のバス以外にも幼稚園や、介護施設、ホテルの無料送迎バスなんかも同じ理由から第一種免許で大丈夫。そういった仕事に就こうと考えている方は参考にしてほしい。

② 自転車には法定速度の規制はない

法定速度 自動車 原付

法定速度とは速度標識のない道路での最高速度のことなんだけど、表のように自動車は60キロ、原付は30キロと規制されており、その速度を超えるとスピード違反で検挙されてしまう。

ただこの表を見ると、自転車、軽車両の名前が…ない。そう、自転車には法定速度という概念自体がない。ということで法定速度に関しては自転車は実質スピード違反で捕まることはない。だって守る規制がないから。
ただ、スピードを出しに出しまくって事故を起こした場合は、過失としてその分の責任を負う羽目になることはあるので変わらず安全運転で運転してほしい。

また、ここで気を付けてほしいのは、標識の速度規制に関しては、自転車にも適用されるということ。

こういった速度標識は自転車も守らないといけない。
そこで問題になるのが自転車には基本メーターがないということ。なので速度を確認する術がない。でも速度標識に従わないといけない。…えっ?
…もうこれに関しては「安全な速度で運転する」しかないかと。安全な速度なんて人によって体感違うけど、運転免許もない自転車に規制をかけるってこと自体がすでにちょっと成り立ってない感じなのでグダグダなのはしょうがない。
とりあえず、特にロードバイクなどスピードが出やすい自転車に乗る方は、安全な速度で気を付けて運転するようにしよう。

出典元:警視庁 自転車の交通ルール

③ 軽自動車に「軽油」を入れてはいけない

そんなのあたりまえだろ!と思うかもしれませんが、実際間違えちゃう人がいる。

間違える理由は教習所で教えてないから。教習所の教習は指導要領というカリキュラムに沿って行うんだけど、その内容に「ガソリンスタンドでの給油の仕方」というのは現状ない。もちろん指導員自身が必要性を感じて自主的に教えることも多くあると思うが、カリキュラム上は、給油の仕方は自分で調べましょう。になっている。

そんな何も分からない状態で免許を取って、初めてガソリンスタンドに来た18歳の新人ドライバー。しかもセルフ。目の前には「レギュラー」「ハイオク」「軽油」と名前が並んでいる。乗っている車は軽自動車。軽自動車だし…軽油だろ!となるのは容易に想像できる。(高校三年生なんてこんな感じのノリでいっちゃう)

実際はセルフあっても、店舗内の危険物取扱資格者のスタッフがモニタリングしていて、そのスタッフが許可を出さないと給油できないようになっている。なので軽油給油は未遂で事なきをえることが多いと思われるが、モニタリング漏れや、そもそもちゃんとチェックしていないスタンドもある。実際こんなやばいニュースも過去にあった。

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こういうこともあって給油のミスは起きることがある。JAFによるとある月では1か月間で燃料の入れ間違いによる救援要請が全国で105件もあったそう。ひえっ。

ガソリン車に軽油を入れて走らせてしまうと、故障の原因になる。交差点の真ん中でエンストして事故を起こしたくなければレギュラーを入れよう。

④ 普通免許でもキャンピングカーを運転できる

車種にもよるが普通免許でもキャンピングカーを運転できる。なんとこの画像のカムロードという車がベースになっているキャンピングカーも運転可能だ。普通免許って案外すごい。

しかもこの普通免許っていうのは、2017年の法改正後の、現行の普通免許のこと。

【普通免許】2017年3月12日~
車両総重量3,500kg未満
最大積載量2,000kg未満
乗車定員10人以下

法改正前の5t限定準中型とかセコイことは言わず、現行の今普通免許を取った人もこのキャンピングカーにを運転できる。友達グループで割り勘でキャンピングカーをレンタルして、遠出とかすごく良いんじゃないだろうか?実は普通免許でもそういう遊びもできる。ただ普通車と比べて車重が重くなる分ブレーキの効きが悪くなるので、運転する時は気を付けるように。

あと、このカムロードベース車でも、年式やオプションによっては準中型免許などの上位免許が必要になる場合もある。もしレンタルする人はレンタカー会社に問い合わせて乗るようにしよう。

⑤ 運転者から見えづらい規制標識の違反は無効となることがある

まさかとは思うが、なんと実例がある。

朝日新聞デジタル
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ネットで「神戸地裁平成31年3月27日判決」と検索すると、当時の神戸地裁のゴリゴリの判決書類もPDFで出てくるので興味のある方は見てみてほしい。

簡単に説明すると急カーブを曲がった後の二輪通行止めの標識に気付かず検挙されたが、「標識の見えづらさから検挙は不当」であると運転者が抗議し、裁判でその主張が認められ、違反が取り消されたという事案。
現場のストリートビューがこちら。

Google Maps
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現在は標識が増設され確認しやすくなっているが、当時は曲がってすぐの標識しかなかったとのこと。左カーブしながらと考えると確かにこれは見逃すのも無理はない。

ちなみに、この違反取り消しとなった最大の理由がこれ。

【道路交通法施行令 第一条の二】
公安委員会が、信号機又は道路標識若しくは道路標示を設置し、及び管理して交通の規制をするときは、歩行者、車両又は路面電車がその前方から見やすいように、かつ、道路又は交通の状況に応じ必要と認める数のものを設置し、及び管理してしなければならない。

道路交通法施行令 – e-Gov法令検索

この内容に則した標識設置じゃなかったので違反は無効と判決が出たとのこと。前例があるといっても違反が取り消されるのは、かなりのレアケースだと思うが、もし自分が納得できない取り締まりに遭遇してしまったら過去にこういった前例がある、ということは覚えておくのはいいかもしれない。

⑥ 免許更新をうっかり忘れて期限切れとなっても、即免許取り消しとはならない

うっかり失効 仮免許 6ヵ月以内 1年以内 1年以上

運転免許証には有効期限があるんだけど、その有効期限の満了日から一日でも過ぎてしまったらその免許は期限切れとなり、そのまま運転すると無免許運転となってしまう。そうならないように免許を取った人は、みんな有効期限が切れる前に免許更新をするんだけど、うっかりその更新を忘れてしまう人がいる。そのうっかり忘れで免許を失効するのを、うっかり失効という。そのまんま。
ただ、うっかり失効であっても忘れた日にちが数日であれば、完全失効。また最初から教習所、というわけではない。

例えば、期限切れから6ヵ月以内の人であれば、失効の手続きを行い、視力検査などの適性試験をパスして、講習を受講すれば元の免許と同じ内容の免許を再取得できる。筆記や運転の試験などはない。こう聞くと「じゃあ期限が切れても6ヵ月以内であれば免許は無事に返ってくるんだね」と思いがちだが、この場合でも、失効手続きの手数料を無駄に払うことになったり、何より免許が再取得の形となるので、失効前の免許がゴールドだった人はブルーに戻ってしまう。免許の色が変わるということは、たんに見栄えが悪くなるだけではなく、車の任意保険の保険料が高くなったり、免許更新の時間が長くなって費用も高くなる。良いことなし。またゴールド免許に戻るには5年間、無事故無違反の実績を積み上げる必要がある。

しかし、このペナルティはまだまだマシ。期限切れが6ヵ月を超えて1年未満となると、もっとヒドイことになる。なんと持っていた車の免許が仮免許になってしまうんだ。そして悲しいことに仮免許のない二輪や二種免許はここで完全に失効となる。適性試験をパスし、教習所に入校するのなら、第二段階からの学科と技能教習を受ける形となり、それから卒検を受かって、本免も合格したら免許ゲットとなる。

そして最も最悪なのが更新を忘れて1年経ってしまったケース。そうなると完全にパー。また最初から頑張りましょう。

以上がうっかり失効の場合。ただそれとは違ってやむを得ない理由があって更新ができなかったという人もいるはず。入院、海外旅行、収監、災害に遭ったとか。またそれ以外でも、どうしても免許更新に行けない理由があったという人は、うっかり失効者とは別で、期限切れでもペナルティなしで免許を更新できる場合もある。なのでそういった人は諦めずに管轄の免許センターに相談するようにしよう。また、もしそれが前もって分かっているのなら期限が切れる前に早めに相談するように。

⑦ 免許取り消し処分を受け、普通免許を再取得した場合であっても、初心者マークをつけなければならない

初心者マーク

以前に1年以上の免許経験がある場合でも、車の前と後ろに、初心者マークをまた付けないといけない。恥ずかしくて付けたくないなんて思う人もいるかもしれないが、ダメ。というのも初心者マークを付けなかった場合は、反則金4000円、点数1点の罰則もある。

ただ取り消し処分後再取得の場合でも、追加で普通免許の上位免許である中型免許や大型免許などを取得した場合は例外。この場合は、普通免許の初心運転者期間が終了し、同時に初心者マークの表示義務もなくなる。ただしこの場合でも準中型免許は免除となる上位免許に含まれないので注意。

それ以外の人は、どれだけ運転に自信があっても初心者マークをつけないといけないので覚えておこう。


以上7問です。
今後の運転の参考にされて下さい。

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